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芸術の秋。絵画では新たなジャンルが脚光を浴びている。その名は「葉画」。西洋画や日本画でもない。
新緑の季節。葉画家たちは、画材となる若葉を探し求める。そして、集めてきた若葉を顔料や絵具の代わりに使う。
キャンバスに向かう葉画家たちは、絵の構図を決めると、一枚一枚、思い思いに若葉を貼っていく。
貼り終わったキャンバスの若葉は青葉へ、そして濃い緑へと変わり、そのまま秋を待つ。
キャンバスは、赤、黄、橙、茶ーー色とりどりに鮮やかに染まる。若葉は見事に紅葉し、葉画が完成する。
どのような配色になるかは、若葉を集めるときに決まるから、葉画家にとって新緑の季節は、その画力が最も試される。その後、葉画に表現したかった絵が秋に表れる。
静物画もあれば風景画もあるし、人物画や動物画などさまざまだ。
晩秋には落葉し、キャンバスは白紙となる。葉画家たちは、来秋の葉画の完成に向け、無から新たな絵の構想に着手する。
その他
公開:22/11/03 07:01
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山田衆三(SHUZO)( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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