教育者の声量

私の教え子が教師になった。
それは喜ばしいことなんだがこの教え子、着任早々自信をなくしている。
聞けば、生徒が授業を聞いてくれないのだとか。
若いから舐められているのかな？声が小さくて聞こえないからかな？思うところはあるようだが、私からすれば全て的外れだ。
教え子の声はまだデシベルの範囲を超えていない。それではダメだ。
教育者たるもの、デシベルを越えたシショウベルで話さなくてはならない。
案の定、教え子はシショウベルを知らないようだ。おいおい…いつまで教え子気分なんだ？
君はもう、人にものを教える立場だ。弟子ではなく、師匠でなくてはらない。
師匠になれば小さな声でも弟子は聞き取ろうとする。かつての君のようにね。
分かったなら自分も師匠であるという自覚を持て。デシベルがシショウベルに変わった時、君の声に生徒は耳を傾けるだろう。
そして１日も早く私を越えなさい。弟子は師匠を越えるものだからね。