暗幕カンパニー

仕事を始めなければならない。金が底を尽きた俺は、自堕落な生活とおさらばして就職活動をする事にした。
「さて……どんなところに就職しようか。やっぱり楽なところがいいな。楽で給料が高いところないかな？」
そんな夢のような話なんてあるわけないが、それでも一応希望を持ってしまうのが俺という男だ。求人サイトを覗いていると、暗幕カンパニーという会社が目に入った。暗い場所での作業が得意な方求とあった。暗い場所……？ってことは見えないってことだ。つまりサボりやすいってことじゃないか。俺は暗幕カンパニーの求人に応募した。面接に行くと会社は、真っ暗だった。黒いカーテンで暗室を作られていた。怪しい会社だ。
「あのう、ここって何をしてる会社なんですか？」
「この世のね、暗闇を作ってる会社なんですよ。闇産業はうちが唯一の会社で世界一のシェアを誇りますよ」
怪しい会社だが、意外と福利厚生が良くて働きやすい環境だった。