ドライアイス教授

化学専攻の教授は特殊能力を持っている。腕を振りかざすとドライアイスが出現するのだ。学生から「ドライアイス教授」と呼ばれ親しまれている。実験で冷やす必要があるときは教授がドライアイスを出してくれる。実験が上手くいかずイライラしているとドライアイスで頭を冷やしてくれる。試験問題を何とか聞き出そうとすると、白い煙とともに去ってしまう。ミステリアスな教授だ。

今日は研究室のみんなでバーベキューをすることになった。もちろん大量の肉やビールはドライアイスで冷やされている。みんなでワイワイ騒ぎながら、話題はドライアイスの有効利用になっていた。
「温暖化対策としてドライアイスを大量に発生させて地球を冷やしたらどうですか？」
「ドライアイスは気化すると温室効果ガスの二酸化炭素になってしまうよ」
「元の木阿弥ですね…」
「逆転の発想をしてはどうかな？」
「大気中の二酸化炭素を固める！」
議論は尽きない。