賞味期限

私には自分の指や腕を噛む癖がある…と、思われている。
これは癖ではない。言うなれば習性という奴だろうか？
実は私、世にも珍しい脱皮する人間なのだ。
脱皮といっても爬虫類みたく、全身の皮が脱げるわけではない。かさぶたに近い感覚だ。脱皮する箇所を摘まむと、ぺりっと皮が剝がれる。
痛みはない。むしろ剥がす瞬間が爽快なのだ。
それにこの皮、とても美味しい。何でこんなに美味しいのかは分からない。
一説によれば、皮に含まれる栄養素を体が求めているから…なんて言われているが脱皮した皮で得られる栄養素なんて微々たるものだそうだ。
それに皮には賞味期限がある。剥ぎたては柔らかく、お肉のような食感だ。焼き鳥は皮も好きな私にはたまらない。
しかし脱皮してから時間が経つと乾いてパリパリになってしまう。湯引きは面倒だし風味も栄養素も損なう。
皮は剥ぎたてが一番美味しい！だから私は今日も癖と言っては自身の指をかじる。