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その島は通称、無心島と呼ばれていた。無人島ではない。不思議な事にその島に行くと誰もが自然と無心になれる。その評判は瞬く間にSNSなどで広まり都会の喧騒に疲れた人々がこぞって無心島に殺到した。ごった返す無心島。無心島は、常にぎゅうぎゅう詰め。入場制限が行われる程だった。それはとても異様な光景だった。

「皆、疲れてるんだね。」
その光景を無心島の向かいの島に住む少年は双眼鏡を覗き込みながら相棒のオウムに言った。
「そうだね。人間って可哀想だね。」
「ボクも人間だよ。」
「おっと、そうだった。ゴメン。」
「いいよ。気にしなくて。」
ファンタジー
公開:22/10/27 10:17

ソフトサラダ( 埼玉 )

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時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、短いお話を書いています。コメントは励みになります。とりあえず過去作の改訂版を中心に新作も載せていきます。よろしくお願いします。 
 

 

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