店仕舞

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いつも行くスーパーの地階には、何故か地元商店をテナントとした市場がある。主な商品はスーパーと殆ど競合するのに、不思議に成り立っている。
魚屋の親父はこんな活きの良い魚は他には滅多に無いよ、駄菓子屋の女将は製造元直仕入れで、破格の値段だよと叫んでいる。洋服店のお婆ちゃんは、一針一針が真心手縫いの別注品ですよと勧める。
惣菜屋の若い女の子の店員は、今揚げたばかりの唐揚げが山盛りでこの値段,大赤字で私は叱られると声を上げる。

それが最近何故か店仕舞の店が一つ2つと出てきた。コロナや経営者の高齢化が影響しているかも知れぬが、昔から客だった婆ちゃんや爺ちゃんは、寂しくなるねーと嘆いている。今や昭和のお店が絶滅危惧種状態だ。

一方上階に行けばスーパーの館内放送がインフォメーションと流暢に流れ、以上お伝えしたのはナビゲーターのカナでしたと。
横文字ばかりの案内だから、カナモジばかりか。
その他
公開:22/10/29 21:42

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