ずっと一緒に

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 最後の彼女と別れて5年が過ぎた。
 この間、新しい彼女ができそうな雰囲気はあった。でも、どうせ振られるだろうと思うと踏み出せなかった。
 振られるときは、いつも同じだ。
「大地って世話焼きすぎ。母親みたい。気持ちが失せる」
 好きだから構いたくなるんだ。
 最初は「マメな人」と喜んでいた女性も、3ヶ月が過ぎると「お母さん」と言い出す。僕は子どもくらい年の離れた人と恋愛した方が良さそうだ。ただ、それだと相手が中学生になってしまう。
 大きくため息をついた瞬間、肩に後ろから衝撃が走った。僕の顔をのぞきこんできた尚は少しだけバツが悪そうだ。
「痛かったか。思わずグーで殴ったからな」
 グーパンチかよ。苦笑いをこぼすと、尚は僕の頬をつねってきた。
「俺と一緒にいるのに、なに考えてんだよ」
「尚が喜んでくれる夕食メニューは何だろうなって」
 みるみるうちに目が輝きだす尚は、毎日でも愛でられる。
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公開:22/10/28 20:27

志雨

2021年3月に小説を初めて完成させました。いろいろなジャンルのショートショートを書いていきたいと思います。
 

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