趣味への拘り

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私は全然行ったこともない県に行った。そこで縁もゆかりもない人を殺した。
それは私が犯人だとバレなかった。無関係の人の犯行だから当然であろう。そんなことを四回繰り返した。
完全犯罪というやつなのだろう。しかし私はそれだけで満足できなくなった。私のしたことを、どこかに発表したくなった。
小説という形式で発表しようと思った。微妙に設定を変えてである。それは世の中の反響を呼び、ベストセラーとなった。
だが警察が私の家にやってきて、私は事情聴取をされた。ここまで鮮明に書くとは、お前が犯人ではないのかと疑われたらしい。
私にはどの事件に対しても確固たるアリバイがあったので、疑いを晴らすことができた。
実は瞬間移動装置というのを、私は秘かに開発していて四件ともそれを使って犯行を行ったのであった。
それを使って旅行したり、世に発表して金や名声を得る趣味は無かったので殺人という趣味に利用したのであった。
その他
公開:22/10/28 11:39

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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