星をつかむ

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右手をそっとのばすと四角いキャラメル星。
左手はそのままに丸くて小さい梅干しの星。

右足がパンの上にひっかかっている。
左足は小さなバナナの上かな。

今度はあの星をつかめるか、それは、お椀を半分にしたようなスイカ星。
右足に力をいれて、パンを蹴った。右手の指がひっかかった。

しめた。そのまま確かにつかんでやる。
あ・・・親指がはずれ、星くずが舞った。

体は、ふわっとした感覚につつまれて、気付けばマシュマロの上でボルダーの星を見上げていた。
ファンタジー
公開:22/10/23 23:00
更新:22/10/23 23:09

kenjii

大昔、高校生の時に星新一さんの「ちぐはぐな部品」を読んで衝撃を受けました。
でも理解できなかったように思います。何となくいいなあくらいの心持でしたが、
それでも、40年以上頭の片隅にひっかかっていた。

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