賞味期限

ウチの宿の温泉には賞味期限が設定されてある。何せ、ここの温泉は飲めるのだから。
宿に泊まってくれたお客様には自由に汲んでもらい、持って帰る事も許している。
そのサービスもあってか、ウチはいつだって満員御礼。来るもの拒まずの千客万来スタイルは、世界各国からお客様が訪れる。
先日は牧場で働く牛のお客様が温泉で日頃の疲れを癒していた。
「骨身に染みる～！蕩ける～！」と言い、長時間浸かっていたのでこの時の温泉はいい牛骨スープになりました。サービスで出した日本酒がニオイ消しになり、いいお出汁となりました。
鶏のお客様は烏の行水スタイルなのでこうはいかない。
牛や豚のお客様が団体で予約すると我々従業員一同も準備に余念がない。
あと、ウチは来るもの拒まずなので海外からドラゴンやメデューサのお客様もやってくる。
宿の入り口に石像が置いてあったでしょう。あれ、メデューサのお客様の風呂を覗いた私の元旦那です。