仙人丸

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あるところに一人の青年あり。その青年は心優しく、人気者であった。またあるところに一人の青年あり。その青年は物静かで一人を好み、山の奥深くで暮らしていた。心優しい青年は、山奥で一人暮らす青年を心配した。山を下りて皆の住む村で暮らしたらどうかという提案をする為、山を登っていった。
「どうだ?村で暮らす気はないか?」
「いや、いい」
「どうして」
「誰かが山の主にならねばならない」
「主に?」
「山が寂しがっておる。俺には分かる」
心優しい青年は、山奥で暮らす青年をかなりの変わり者だと思っていたが、山の声が聞こえれるなどと言われるとは思ってもいなかった。
「俺はこれを飲もうと思う」
「それは?」
「仙人丸と呼ばれる薬だ。飲めば仙人。山の神になれるのだ」
山奥で暮らす青年は、仙人丸を飲んだ。すると髭が生え、一気に老人へと変わり果てた。そして青年は不思議な力を手に入れ、村の神として村の仲間になった。
公開:22/10/26 08:49

富本アキユ( 日本 )

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・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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