悪の仮想空間

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私は大量殺人のできる仮想空間の世界にいた。ストレス解消には、有効なのである。
ナイフや拳銃など好きな武器を使って、思う存分人を殺すことができる。それで現実の世界でも人を殺したくなったりとか、暴力を振るうようになるとかそんなことはない。
むしろ気分転換になって、現実社会での振る舞いはよくなる。少々理不尽な仕打ちをされても、お前なんか私がその気になればあの手この手で殺すことができるんだよと愛想笑いで躱すことができた。
それに少し飽きてきたので、怪盗ができる仮想空間に切り換えた。名探偵の仮想空間もあったが、事件が起きてから動くので受け身なのである。怪盗の世界の方が好きな物を盗めるし、スリルも味わえるのでこっちの方が俄然面白かった。
これも別に現実世界でやりたくなってくるということはない。こんなことを現実にやったら、刑務所に入ってしまう。
こんな楽しい体験ができなくなる所に行くのは、ごめんだった。
その他
公開:22/10/25 22:05

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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