青い空

神が一人の少年を気に入って、願いを叶えてあげることにした。
「ぼくは青い空が大好き。気持ちが晴れ晴れとして、自然も動物もみんな輝いてみえるもん。スポーツもずっとやり放題だし。雨は暗いから嫌い。ずっと青い空にして下さい」
「いいだろう」
ずっと青い空が続いた。雨は一切降らなくなった。農作物は全然育たなくなり、動物はみんな飢えて植物もみんな枯れてしまった。
願いごとをした少年も、大好きな青い空に顔を向け、目を見開き飢え死にしていた。最期に青い空が見えて満足だったのだろう。
虚空を感じさせない青い空は、いつまでも続いた。