賞味期限

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「はい。あ~ん。口、開けて」
彼がスプーンを突き出してくる。何?今日は優しいじゃん。
「俺はいつも優しいっての。これ凄く美味しいから食べてよ。ほら、口開けて」
スプーンの上に乗ったそれはとても美味しそうだ。見ているだけで涎が出る…おっといけない。こんな姿見せたら彼に幻滅されちゃう。
「食べないの?美味しいよ。料理は出来立てが一番。すぐに食べないと賞味期限が過ぎちゃうよ。だから早く口開けて」
…おかしい。彼はこんな事をする人じゃない。
「口開けて」
さっきからずっとそればっかり。
「口開けて」
私は口を閉ざし、彼の様子をじっと見つめた。

はっと目を覚ます。母の「目を開けて!」という叫びに驚いた。
何?一体どうなっているの?
「貴方達は事故に遭ったの…それで貴方は助かったけど、彼は…」
泣き濡れる母。じゃあ、あれはあの世の出来事だったの…
だとしたら、あのスプーンを口にしていたら私は今頃…
公開:22/10/21 20:44

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…

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