ペナルティー

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ごめんなさいが口癖の私は、よく友達に怒られた。
「すぐ謝る癖、良くないよ!!」
「ごめんなさい」
「ほら、また言った!!」
「ううっ……」
直そうと思っても口癖なので、つい癖で出てしまう。そんな時に出会ったのがペナルティーだった。失敗を犯した時に、このペナルティーを飲めば二度と失敗しなくなるという紅茶だ。そんなにひどい味なのだろうか。じゃあ次にごめんなさいと謝ってしまう事があれば、私はペナルティーを飲もうと思う。
「これ落としたよ」
「ごめんなさい、ありがとう……あっ!!」
やってしまった。また謝ってしまった。私はペナルティーを恐る恐る口の中に入れた。
「ぺっ!!ぎゃああ!!にがあああ!!なんじゃこりゃー!!」
私の中の男が出てきてしまう程の苦さだった。それはそれは、センブリ茶を飲んだ時のような苦さに似ている。いや、それ以上かもしれない。そして私は二度と人にごめんなさいと言わなくなった。
公開:22/10/20 10:00

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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