マジカル先生

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加留部(かるべ)先生は、外見は普通の地味な、おじさんにみえる。
でも、なぜか生徒たちから慕われている。
あだ名は「マジカル先生」。今は小学校4年生の学級担当をしている。

さて、先生のクラスの生徒の丈君は、今日も漢字の書き取りの宿題を忘れた。

授業後に職員室に呼ばれた丈君に、加留部先生は言った。
「宿題忘れは、今学期で2回目だね。もう知らんぞ」
言い方は投げやりだが、先生の目はどこかやさしかった。
そして手で、重い物をぶら下げるしぐさをした。

その日の放課後、居残りで書き取りをしていた丈君。
くたびれて投げ出そうとしたが、なぜかやる気がわいてきて、とうとう、書き取りを仕上げる事ができた。

丈君は職員室に行き、「書いている時、やる気が出ました」と告げた。
先生は笑ってうなずいた。

あの時、先生がやった、重いものを持つしぐさは、「投げやり」ならぬ、「おもいやり」のマジックだったようだ。
ファンタジー
公開:22/10/23 14:25
更新:22/10/23 19:48

tamaonion( 千葉 )

雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。

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