3,2,1,ゼロ

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カウントダウン。それはゼロになった瞬間、何かが起こる。それはお祝い事なのか、あるいは悪夢のような最悪な出来事なのか。それは大体あらかじめ分かっている事だ。なぜならカウントダウンをするということは、予測であるからだ。僕の頭の中には、突然3,2,1,ゼロという数字が浮かぶことがある。そしてゼロになった瞬間、毎回何かが起こる。僕はこの能力をカウントダウンと呼んだ。カウントダウンには、今まで殺されかけたり助けられたりしたことがある。
3,2,1,ゼロ。
まただ。カウントが始まった瞬間、周囲を見渡す。子供が道路に飛び出している。轢かれるな、あの子。そう思った瞬間、僕は体を動かす事もなく、その成り行きを見ていた。どうせ3秒では間に合わない。だから僕は見ていた。もうこんな事は日常茶飯事なのだ。一体なぜカウントダウンが僕に備わったのかは分からない。だが一つ言えるのは、僕は冷たい人間である事だ。
公開:22/10/22 09:24

富本アキユ( 日本 )

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