税肉

飽食社会で肥満国家となり、国民の健康を著しく害すると問題になっていた。
そこで政府は、国民一人ひとりの贅肉に課税する税肉を導入した。
政府が国民に税肉メーターを配り、年齢に応じて基準値を超える贅肉に税金を納めさせるシステムだ。
基準値を超えると税肉メーターのアラームが鳴り警告される。数日間の猶予を経ても基準値を超えると課税対象者となる。超過した数値で計測され、グラムあたり一万円だから高額だ。
お腹が出て太った国民は挙ってダイエットを開始し、トレーニングジムなどは大盛況だ。その甲斐あってお腹が引っ込み痩せてくると基準値も下回るから、その時点で課税対象者から除外される。
中には税肉メーターに細工し、納税を免れようとする者が後を絶たなかったが、発覚すると罪に問われて追徴課税か刑務所行きとなるため、取り締まりの強化とともに違反件数は減っていった。
今や健康優良国家として世界から高く評価されている。