喋る商品

陳列棚に並べられ誰かが手にするのを静かに待つのでは無く、各商品が自ら前を通る顧客を呼び止め自己PRで納得させ、購入させるのが商品の義務と責任となった。
今でもスーパー等の陳列棚やケースの前でポップアップが置かれたり、小型の人形型スピーカーが宣伝しているが、今回は商品各自が独自の責任と義務で売り込まなければならない。
とは言え最初から無理だよと諦め、やる気の無い商品もいる。一方俺は人気者だから必ず売れるぜと、居眠りしている奴もいる。
でも大多数の商品は自己PRで喋ったり、がなったりで只でさえざわつく店内は一段と煩く騒がしい。
鮮魚コーナーのオッサンも完全に負けている。

その為最近は買い物客は耳栓携帯が必須となった。
酷い場合は耳鳴りや難聴になったりで、耳鼻科医院は診察まで２－３時間待ちが当たり前状態だ。
この事態に政府は、早急に対応策や規制法案を検討しますと言うだけで、聞く耳を持たない。