煌びやかな刑務所

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 かつて、国王を倒して国を手中に収めんとクーデターを起こしたもの、味方に取り込んだはずの大臣に裏切られ、今の私は牢獄暮らしだ。

 この一件で私以外の味方はほぼ打ち首にされ、大臣はさらに国王の顔の覚えがよくなった。

 パサパサのパンをかじりながら、色とりどりのスープを味わっているだろう国王と大臣を妬む日々を過ごしていると、大臣の手下という者が伝言を持ってきた。

「国王が流行り病と飢饉で、暴徒と化した民衆に襲われ亡くなりました。大臣を中心に会議したところ、あなたが次の国王と相応しいとのことです」

 彼は豪華な服と王冠を私に投げると、そそくさと逃げた。
その他
公開:22/10/18 12:00

好太郎

主に小説投稿サイト「即興小説トレーニング」にて執筆した自作品を、推敲したものを投稿します。
他小説サイト「小説家になろう」でも同様なことをやっています。

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