ジュリエット釣り
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人通りのない路地に女性が倒れていた。俺はかがんで、彼女の肩に手をかけてゆする。首にも手をあてるが、脈を感じられない。
人を呼ぼうとした瞬間、閃光が走った。路地の奥から歩いてきた男の手に携帯電話があった。
あれで写真を撮ったのだろう。
目つきの悪いそいつは、俺の隣にしゃがみこんだ。
「兄ちゃん、その女の首絞めてたよな。写真撮ったぜ」
「違う。脈を診ただけだ」
「写真ではそう見えないけどな」
男の顔がニヤつく。
「良い身なりだな。黙っててやるから口止め料くれよ」
咳払いが聞こえた。
倒れていた女がむせている。俺は男をにらみつけた。
「お前、恐喝の常習だよな」
俺の警察手帳を見た男は青ざめた顔を横に振る。
「どう違うんだ。強請るネタ撮っただろ」
俺は観念した男に手錠をはめ、女を振り返る。
「起きるの早いぞ。恐喝未遂じゃねえか」
ジュリエット釣り捜査には限界がありそうだ。
人を呼ぼうとした瞬間、閃光が走った。路地の奥から歩いてきた男の手に携帯電話があった。
あれで写真を撮ったのだろう。
目つきの悪いそいつは、俺の隣にしゃがみこんだ。
「兄ちゃん、その女の首絞めてたよな。写真撮ったぜ」
「違う。脈を診ただけだ」
「写真ではそう見えないけどな」
男の顔がニヤつく。
「良い身なりだな。黙っててやるから口止め料くれよ」
咳払いが聞こえた。
倒れていた女がむせている。俺は男をにらみつけた。
「お前、恐喝の常習だよな」
俺の警察手帳を見た男は青ざめた顔を横に振る。
「どう違うんだ。強請るネタ撮っただろ」
俺は観念した男に手錠をはめ、女を振り返る。
「起きるの早いぞ。恐喝未遂じゃねえか」
ジュリエット釣り捜査には限界がありそうだ。
ミステリー・推理
公開:22/10/17 17:00
2021年3月に小説を初めて完成させました。いろいろなジャンルのショートショートを書いていきたいと思います。
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