ブラックホール絵本

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布団の中で、娘が私の読み聞かせを待ち構えている。その横に、今日古本屋で買ってきた数冊の絵本を置く。
「じゃあまずはこの本ね。えっと『やまだたろう物語』」
娘は楽しそうにする。
「ある日、男の子が生まれました。やまだたろうです。たろうは元気に成長しました。何の事件、事故にも巻き込まれず平穏に大学まで行きました。そこから大人になって、一人の女性と出会いました。二人の間に子どもができました。たろうは子どもに絵本を読み聞かせました。おしまい。ん?おしまい?なんだこれ。つまらん」
私はその本を捨てた。
「じゃあ次。何これ」
私は表紙が真っ黒の絵本を手にした。何だろうと思い開いた瞬間、私は絵本に吸い込まれた。私は、絵本になった。

「今日古本屋で絵本買ったのよ」
「やったー。読んで読んで」
「タイトルは、『たなかはなこ物語』」
読み進めていくと女性は言った。
「何これ。つまらん」
私は捨てられた。
ホラー
公開:22/10/14 21:00
絵本 ブラックホール

雪宮冬馬( 日本 )

Yahoo!でのログインがどうもできないので新たに作りました。
20代男。趣味でショートショートを書いてます。
夢は「坊っちゃん文学賞」受賞!

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