ご機嫌斜め45度

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機嫌が悪いのは、君のせいだ。君が悪いんだ。君が他の男と歩いているからだ。仲良さそうに腕を組んで歩いている君が悪いんだ。僕は嫉妬した。君は僕の彼女ではないけれど、僕以外の男と仲良くしている姿を見ると不機嫌になってしまう。ああ、なんで君は、どんな男にも思わせぶりな態度を取るんだ。腹立たしい。僕は機嫌が悪い。

「ねえねえ、どこか連れてってよ」

彼女が僕の腕を掴み、甘えてくる。
どうせ他の男にも同じようなことをしているんだろう。

「いや、また今度」
「えー、どうしたのー?なんか冷たいー」
「別に」
「でもそういうところがクールで格好いい!!」

そう言われて僕の機嫌は、斜め45度に傾き、機嫌が良くなった。

「機嫌悪いの?」
「いや、全然。どこ行こうか」
「水族館が良い!!」

また彼女に振り回される。僕は斜め45度に傾き、機嫌を取り戻した。
僕は彼女のお気に入りのバッグ。彼氏ではない。
公開:22/10/14 09:56

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
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・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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