常連客の特権

焼鳥屋の店主が「今日はいい鳥取が入っているよ」と、こっそり教えてくれたので注文する。常連客の特権だ。
周りの客を見る。誰も鳥取を食べている様子はない。優越感に浸りながら焼き鳥取が出てくるのを待つ。
鳥取と言えばやはり砂肝。砂丘が生み出すその味の広さと言ったら言葉では説明が出来ない。
まさに知る人ぞ知る隠しメニュー。そして、隠れた味だ。
鳥取が食べられるなんて普通、誰も思わないだろう。
同様に鹿児島・群馬・熊本も食べる事が出来る。まあ、こっちは滅多に口にする事が出来ないけどね。
そもそも鹿・馬・熊は一般向きではない。それらを含む県を食べるのなんて一生に一度あるかないかだろう。
そう考えると鳥取はまだ出会う確率が高い。この出会いに感謝して、今日はいい日本酒も注文しよう。
そう言えば、そろそろ秋田も旬だな。今度馴染みの小料理屋に顔を出してみるとしよう。
運が良ければ秋田の味覚を堪能できるだろう。