シュレーディンガーの猫

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実にばかばかしい話だと、猫は思った。
量子力学の不完全さを示す思考実験であるシュレーディンガーの猫。密閉した鋼鉄の箱の中に、放射性元素と放射性崩壊を検知すると毒ガスを発生する装置を設置する。放射性元素の1時間あたりの原子の放射性崩壊確率を50%とすると、1時間後に猫が生きている可能性は50%の重ね合わせになるという。
つまり、半分死んで、半分生きている。
これは単なる思考実験なのに、それを実際に作る人間がいるとは思わなかった。しかも、実際に猫を閉じ込めるとは。
そろそろ1時間だろうか。
猫を甘く見てもらっては困る。
鋭い爪で箱に小さな穴をあけ、毒ガス発生装置を動かすことで毒ガスは箱の外に出すように改善しておいた。こんな隙があるのも、猫を愛する人間がたくさんいるからだ。
さて、外にいる人間は、生きているだろうか、それとも死んでいるだろうか。50%の重ね合わせになっているはずだが。
SF
公開:22/10/16 15:13

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