茶掛

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家の押し入れの奥に何か四角い長い木箱が見つかり、何んだろうかと確認したら、掛け軸が出てきた。
先祖が昔入手した物であろうか。
日日是好日と書かれている。調べると一般的に茶掛には禅語が記され、禅の高僧が命を賭した修行から体得した心の状態を言い表した言葉らしい。
茶室では頻繁に見かけるが、楽しい時も、そうでない時も、今日と言う一日を大切に生きると言う意味で、
唐の禅僧雲門禅師の言葉とされている。
一見、簡単な言葉の様だが、良い事があった時だけでなく、辛い事や悲しい事があった時にも、昨日の後悔や明日の心配ではなく、今この瞬間に集中して生きなさいと。

お茶を点てるプロセスそのものが、今に集中するための訓練ではないかと考えさせられる。
だから正式な茶会では、客として茶室に入ると、先ず床の間の前に座り一礼し、茶掛を鑑賞します。
上手く感想を言えてホットし、茶を頂くのを忘れて即退席してしまった。
ファンタジー
公開:22/10/15 11:05

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