取り寄せバッグ

飲食店のバッグが売りに出された。そのバッグの中に手を突っ込むと、その店の商品を取り出すことができるのだ。金もそのバッグに入れれば、店が回収してくれた。
スーパーも同様のバッグを使うようになった。食材から買いたい人は、そのバッグから取り寄せることができるようになった。特に田舎の人たちや、老人たちに喜ばれた。
それでは人の取り寄せもできないだろうかと考えた。医者が身体の不自由な人を診るとしても、お互い移動が大変だし交通費もかかる。
バッグで取り寄せれば、それらの問題も解消できるというわけだ。
試してみたら上手くいった。特殊な大型バッグを用意すれば、成功した。
しかし医者がいちいち患者に呼ばれていたら大変だし、別な患者が手遅れになるおそれがある。特殊な場合を除き医者が患者を取り寄せることとした。
しかしある日、老婆を取り寄せようとしたら手が滑り失敗してしまった。その老婆は行方不明になった。