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夕暮れ時。とあるコンビニの隣にある公園のベンチで、私は一人何をするわけでもなく座っていた。
目の前にあるブランコが揺れている。さっきまで子供が一人で遊んでいたが、母親が迎えに来たので、子供は喜んで駆けていった。
遊び相手がいなくなって寂しそうに揺れるブランコ。
私は慰めるかのようにそのブランコに腰を下ろした。
風が冷たい。すっかり秋になったと感じた。
空は夜に向けて着々と準備をしていようで、瞬きの度に暗くなっていくような気がした。
周囲の家からは明かりが灯り、晩御飯の準備の匂いやテレビの音なんかが届いてくる。こちらも着々と家族の段落の準備をしているのだろう。
羨ましい。帰る家があるって本当に素敵だ。
私も帰りたい。本当なら暖かい家族に迎え入れられたい。
でも、今の私にはそれは叶えられない。
そして▪▪▪。
「行くか▪▪▪」
そう呟いて、私はコンビニへと向かった。今日は夜勤である▪▪▪。
その他
公開:22/10/10 18:05

セイロンティー( 鹿児島 )

初めまして。昔から小説を書くのが好きでした。ショートショートの魅力に取り憑かれ、日々ネタ探しに奔走する毎日です。
小説のコンセプトは【ドアノブの静電気くらいの刺激を貴方に】です。
皆様、どうぞ宜しくお願い致します。

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