退行タイムカプセル

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両親の過去の思いを辿ることのできる、タイムカプセルの中に入った。幼き頃は私を純粋な気持ちで育てようとしてくれていたのだろうから、その思いを感じて親に感謝しようと思ったのだ。
自分が産まれた頃の記憶が蘇った。両親は私を堕胎しようかどうか、迷っていたらしい。しかし堕胎は前にもやっているし、体にも負担だと思っていたら私が産まれた。
母は私に立派になって欲しかったみたいだ。ないものねだりばかりする人で、男はすべからくヒーローになるもので、理想通りに育たなかったら全部私の責任らしい。
父は私の子育てに飽きてきたようだ。元々良識に欠ける人で、愛情深いタイプでもない。あまり懐こうとしない私に嫌気がさし、酒やギャンブルに逃げて行ってしまった。
腹黒い母は父を悪く言うことで、私を味方に引き入れた。しかしどっちもどっちだった。
子どもを産むというのは究極の自分勝手と言った人がいたが、その通りだと思った。
その他
公開:22/10/12 00:06

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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