共感(心通わせる瞬間)

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彼は言う。あなたは、私の上司ではありますが信頼できるかどうかは、別の話です。
母親は、私を生み育ていつどのような時も私が何を考えているかおおよその推測ができ、また理解してくれます。私もまた母の言うことは正しいと感じることが多々ある。それは、幼いころから積み上げた信頼関係があるからです。

しかし、あなたとはこの職場に配属され、ほんの少しの時間を共有したに過ぎない。

いいですか。そんな関係性の方の言うことが正しいかどうかを1日や2日で判断して、その通りにことを進めるなんて、ナンセンスなんです。

そうなんです。したがってこの問題の対処については、まず・・・

私はここまで聞くとなんだか遠くで彼の声がするように感じてきた。そして同時に、カウンター越しに対面する知らない彼女に目配せをしていた。

彼女もまた同調しているような瞳で私を見て、二人はとても親密な関係になったことを悟った。
その他
公開:22/10/11 22:21

kenjii

大昔、高校生の時に星新一さんの「ちぐはぐな部品」を読んで衝撃を受けました。
でも理解できなかったように思います。何となくいいなあくらいの心持でしたが、
それでも、40年以上頭の片隅にひっかかっていた。

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