地熱ビール

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全国各地のさまざまなクラフトビールが揃うという専門店にやって来た。
お目当ては、地ビールと地熱を掛け合わせた「地熱ビール」。ビール党にとっては垂涎の的だ。
火山国といわれる日本では、地熱資源が豊富だ。その熱水と麦芽やホップ、酵母などを原料に、特殊製法で作ったクラフトビールが地熱ビールだ。
通常のビールは、キンキンに冷えた状態がおいしいが、地熱ビールは、熱せれば熱するほどコクとキレ、そして炭酸が増す。温めたホットビールがあるように、地熱ビールは「ホッテストビール」とも呼ばれている。また、その温度によって茶、黄、橙、赤と地熱ビールの色が変化するのが特徴だ。
そして、地熱ビールを摂氏一〇〇度以上に熱する、つまり沸騰させると、黒ビールのような色になる。
その途端、マグマのようになった地熱ビールの炭酸が、まるで噴火のように一気に噴き出し、ドロドロした溶岩のように流れ出すので、やけどには注意が必要だ。
その他
公開:22/10/08 05:14
更新:23/10/13 15:56
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SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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