画像犯

会社帰りにおれは誘拐された。
目隠しをされ、どこかへ連れてこられた。
「目隠しをとれ」
目隠しをとると、暗闇の中でパソコン画面が光っていた。
そこには【SAMPLE】と表示された画像が。
「質問に答えろ」
暗闇のせいか、画像がしゃべっているようだ。
画像が切り換わる。
「これは？」
『リンゴ』
突然、おれは頭を叩かれ、脳が揺れた。
「さっきの画像を思いだせ」
『サンプル…あっ、アップルか』
「よし、この画像は？」
『ゴーヤチャンプル』
「よし、これは？」
ハリセンで叩かれるおれの画像。さっきのだ。
『この流れだと…テンプル！』
「OK！最後の質問だ。これは？」
それは、おれと妻の画像だった。
『ナイスカップル！』
その瞬間、発砲音が鳴り、明かりがついた。そこはおれの家だった。
「お誕生日おめでとう！」
シャンパンを手にした妻だ。
ふぅ、いつもながら凝った演出だ。たまにはシンプルでもいいよ。