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「先生、うちのミルクの容体はどうなんですか?はっきり仰って下さい」
「残念ながら今夜が峠でしょう」
「そ、そんな。先生、どうか、うちのミルクを救って下さい」
「残念ながら私には手の施しようがありません」
「そんな事を仰らないで下さい。先生は世界が認めた名医なのでしょ。どうかミルクの命を延命させて下さい」
「そんな事を言われても出来ません」
「先生、これは一億円の小切手です。先生がミルクの延命を引き受けてくれるのであればこれは差し上げます」
「困ります。私にも職業倫理と言うものがありますから。そんな不正なお金を貰う訳には行きません」
「先生、私、知っているんですよ。最近、奥さんと離婚して多額の慰謝料が必要だって事。先生にとって悪い話でないはずですよ」
「し、しかし、医者の私が勝手に牛乳の賞味期限を不正に延長させるわけにはいかないのです。どうしてもと言うのであればメーカーに相談して下さい」
公開:22/10/07 14:06

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