手遅れ
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昼下がり、テレビでは高校生の世界野球をやっていた。球場は球児憧れのシリウスだ。私は掃除をしながら、画面に映る球児たちを見つめる。
「彼らも土を持って帰ってくるんだろうな」
私が高校3年生の時、通っていた高校が世界大会へ出場した。野球部にいた彼氏は、シリウスの土とマウンドで拾ったという赤紫の石をお土産にくれた。その彼とは高校卒業と同時に別れた。
私はアクセサリー箱に入れてあった赤紫色の石を取り出し、部屋を出た。
「いらないよね」
マンションのゴミ置き場へ行き、石を投げ捨てた。
光が顔にあたり目を覚ます。窓の外からゴミ収集車の音楽が聞こえてくる。
テレビをつけると、アナウンサーが興奮していた。
「速報です。シリウスで見つかった赤紫色をした石は、銀河系で一番価値が高い宝石と認定されました」
私は勢いよく振り返って窓を開ける。石が収集車に放り込まれ、バリバリと音を立てるのを聞いた。
「彼らも土を持って帰ってくるんだろうな」
私が高校3年生の時、通っていた高校が世界大会へ出場した。野球部にいた彼氏は、シリウスの土とマウンドで拾ったという赤紫の石をお土産にくれた。その彼とは高校卒業と同時に別れた。
私はアクセサリー箱に入れてあった赤紫色の石を取り出し、部屋を出た。
「いらないよね」
マンションのゴミ置き場へ行き、石を投げ捨てた。
光が顔にあたり目を覚ます。窓の外からゴミ収集車の音楽が聞こえてくる。
テレビをつけると、アナウンサーが興奮していた。
「速報です。シリウスで見つかった赤紫色をした石は、銀河系で一番価値が高い宝石と認定されました」
私は勢いよく振り返って窓を開ける。石が収集車に放り込まれ、バリバリと音を立てるのを聞いた。
ファンタジー
公開:22/10/07 18:00
2021年3月に小説を初めて完成させました。いろいろなジャンルのショートショートを書いていきたいと思います。
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