優しさポイントカード

優しさポイントカードというのが、未成年者に配られることになった。人に優しいことをすると、ポイントが貯まっていく仕組みである。
善行を積む張り合いにしてほしいと政府が配ったのであった。

ユキは元々優しい性格であった。ヨシトという好きな人がいたので、その子の気を惹きたい思いもあり優しさポイントを貯めた。以前ヨシトに好きなタイプを聞いたら、優しい子が好きだと言われたからだ。ポイントを学年一になるまで貯めたので、ヨシトに告白した。

「いやユキはイマイチ、おれの好みじゃないって言うか」
「何で以前、優しい人がタイプだって言ってたじゃない」
「おれ実はアケミが好きで。アケミは将来女子力が高まるかもしれないけど、お前がアケミみたいに綺麗になるのは無理だろう」

ユキは深く傷ついた。しかし同時に、こんな男と付き合わなくてよかったと思った。
将来もっと心の綺麗な人と付き合おうと思った。