魔法使いモダン焼き

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前々から思っていたけど、近所にあるあのお好み焼き屋はやっているのか?
ボロボロの小屋に「魔法使いモダン焼き」と書かれた汚い看板が立っている。特に気にした事もないし、入ろうとも絶対に思わないんだけど、その奇妙な名前は、妙に頭の中に残る。ある日、俺は熱が出た。体は重いが食欲はある。食べられそうだ。しかし冷蔵庫の中には何も入っていない。かといって買い物に行くほどの元気はなかった。そんな時、頭に過ったのは「魔法使いモダン焼き」だ。魔法使いモダン焼きの小屋の中に入ると、おばあちゃんが一人いた。
「いらっしゃい。ん?あんた顔色悪いね」
「ちょっと熱があってさ。自分で作れないから何か食べさせてよ」
おばあちゃんは、モダン焼きを作ってくれた。
「はいよ。風邪に効く魔法のモダン焼きだよ。ネギたっぷり入れて、生姜も入ってるからね」
食べると風邪は嘘のようにすぐ良くなった。これは魔法だ。魔法のモダン焼きだ。
公開:22/10/08 10:02

富本アキユ( 日本 )

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Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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