座薬の男

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爆破は派手であります。(座薬が好き)エネルギーも大きい。しかし、大きさと快感は比例しません(形が大事)。爆破(浣腸)がある種のカタルシスを与えることは確かです。しかし現象としての爆発(下痢気味)の噴出時間は大きなストレスです。なによりも、その時間のほとんどは待機であることから、爆破とは凝縮された思い出に過ぎないと言えます。(トイレットペーパーの浪費)
爆破による粉砕(肛門括約筋の拒否)よりも溶解による浸潤(とどまりながら消えていく)こそ、リアルな快感を持続的にもたらすのです。(じわじわとかすかに、意思に反して、否応なく、溶け合う。へんになりそう)ここには豊かな想像力の余地があります。
最も重要なのは、外発(排出)よりも内受(変容)にこそ、可能性が残されているのだということです。出口こそを入口とし、主客合一する哲学の実践。
異常により、わたしは断然、爆破よりも座薬を愛用しているわけなのです。
その他
公開:22/10/08 09:32
シリーズ「の男」

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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