賞味期限

目を覚ますと私の腕に8桁の数字の痣が刻まれていた。
私は一体どこで出来たのだろうと考えてみた。でも、全く身に覚えがなかった。
なので私は一旦、その事を忘れ、会社に向かう事にした。
会社に着き、私は化粧室でメイクを直していると不思議な事に気付いた。
今朝、私の腕にあった痣の数字が変わっていたのである。
20221215だったものが20221030になっていた。
私は何かの病気なのかもと同僚に相談してみた。
けれども同僚には私の腕に刻まれた数字が見えないようである。
それどころか、私に「あなたは結婚の適齢期が近いんだから焦った方が良いんじゃない」と暴言を吐いた。私は「ええ、そうね」とだけ返した。
でも、私の目には同僚の腕にも私と同様の数字が見えていた。
私は「ああ、そう言う意味だったのか」と納得し、若さに気を使うと数字は大きくなっていた。でも、実際は命の期限だと知ったのは死ぬ直前だったのだ。