ヘンゼルとグレーテル その後

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 ヘンゼルとグレーテルは魔女を焼き殺した罪で一旦警察に拘留されたが、未成年であることと、いきさつを窓から見ていたカラスが、魔女がヘンゼルを食べようとしていたことを証言したため、正当防衛で不可罰となった。魔女の家から持ち出した宝物は一旦政府に没収されたが、彼らの養育費と教育費としていくらか父親の元に残された。

 ヘンゼルもグレーテルも貧乏に懲りていたので手に職をつけようと固く心に誓った。ヘンゼルはお菓子の家が忘れられず、修行を積んでパティシエになった。グレーテルは看護学校に行って看護師になり、某病院の放射線部に勤務することとなったが、MRIの装置に患者を固定するたびに、この機械があれば魔法使いのおばあさんをかまどの中に押し込むのにあんなに苦労しなかったのにと思わずにはいられない。
めでたしめでたし。
ホラー
公開:22/10/04 11:12

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