語り場

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「本当に突然で驚きましたね」
彼は淡々と語る。
「テレビでは見たことあるんですが、まさか自分がこうなるとは思いませんでした」
彼は落ち着かないのか手をひっきりなしに動かしていた。
「当事者はいきなりのことだったからか、すぐどこかに消えてしまいましたね。あの時すぐに声をかけていればと後悔しています」
ガチャ
突然後ろの扉が開いた。彼はゆっくりと背後に顔を向けた。
「あぁ、待っていましたよ。なぁに、怖がることはありません。さぁこちらの席にお座り下さい」
彼は扉を開けた人物を対面にある座席へ座るように言った。すると、おそるおそるその人は彼の様子を伺いたてる様に席に着いた。
「そうですねぇ。まず何を聞きましょうか。あぁ、せっかくなので私を引き殺した時の状況をそちら目線でお聞きしましょうか。彼らにも分かるようにお願いしますね」
すると、暗闇から複数の目がガタガタと震えるその人をじっと見つめた。
ホラー
公開:22/10/03 18:53

リマウチ

超ショートショート書いていきます

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