禁書と錬金術師の少女

昔から貧しかった。食事はひとつのパンを半分にして二回に分けて食べた。お腹いっぱい食べたい。そんな彼女は錬金術師と出会った。錬金術師の男は、小さな種に魔法をかけてパンを作って私にくれた。
「少女よ、錬金術師を目指しなさい。そうすればこのような生活から脱する事ができるだろう」
それが彼との出会いだった。彼の元で錬金術師の修行をしていた私に一つだけルールが決められた。
「あの禁書に書かれた物だけは決して作ってはいけない。あれは世に出してはいけないものだ」
そう言われたが、私は欲望に勝てなかった。知りたい。もっと錬金術を。そして開くと万能薬等ありとあらゆる物が載っていた。そして作った。彼の病を治す万能薬を。彼の病は治った。しかし私はその代償を支払う事になる。
「なんてことを……。お前は永遠の命を手に入れてしまった。お前は老ける事もなく、永遠の時を生きるのだ」
これが不死身の魔女誕生の話である。