酒の依存症

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おれは酒癖の悪さを妻の友子に指摘され、逆上して殺してしまった。どこかへ捨てに行かなければと、死体を車のトランクに載せた。
おれは偽装工作のため友子の実家に翌朝電話をした。
「すみません。昨日友子さんが家に帰って来てないのですが、そちらに行ってないでしょうか?」
「ええ、ちょっとあなたの酒癖の悪さが嫌になったみたいで、こっちに来てたわよ。だけどもう一度やり直したいと、さっき帰って行ったわ」

えっ、どういうことだ?おれは夢でも見ていたのか?昨日の行動を思いだせ。
昨日会社から帰って来て、食卓に座るなり酒を呑み始めた。友子が行けとうるさいので、仕方なしに昔医者に行ったのだか、そこで出された薬を飲んだ。
その薬の効能書を読んだ。

予知夢を見る薬です。今のあなたの行動を続けると、こうなってしまうという蓋然性の高い夢を見ます。

おれは医者の言うことを素直に聞いて、依存症の治療に励むことにした。
その他
公開:22/10/04 21:06

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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