カプセルトイ

幼馴染の男子からカプセルに入った香水を貰った。
カプセルトイの景品か？子ども用の香水って、子どもをバカにしている感じで好きじゃない。
これは当てつけか？男勝りな私に対する嫌がらせか？
「そんなんじゃないと思うな。これ、凄くいい香水だよ」
姉からそう言われ、嗅いでみる。ほんのりと漂う優しい香りにうっとりする。
「カプセルに入れたのはきっとあの子なりの照れ隠しだよ。素直に受け取りな」

翌日、早速香水をつけてみた。強い香りでもないのにクラスの女子が集まり、口々に囃し立てる。
「今日は女子力高めね」「もしかしてデート？」「大人って感じがするわ…」
いつもは受けない褒め言葉に恥ずかしくなってくる。
クラスの男子はと言えば、顔を赤くして私の方をちらちら見ている。
何だろう…凄く優越感を感じる。
幼馴染が教室に入って来た。唇の動きで『ありがと』と伝えたら、カプセルトイみたくカチカチになって少し笑えた。