白色の初恋

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僕はチョークだ。正確には長泉中学校3年5組の白チョーク。僕のこれまでの人生は全くつまらないものだった。でも今は違う、毎日がいきいきと輝いている。それは新しくこの学級にやってきた女の子のおかげだ。
 「それじゃあこの問題を、、佐々木。」
「はい。」
そう、今先生に指された子。佐々木ちゃん。佐々木ちゃんはものすごく真面目に授業をうける。だから転校してきたばかりなのに先生から信頼されていて、しょっちゅう僕を使って黒板に問題の答えを書きに来る。はじめはなんとも思っていなかった。でも佐々木ちゃん手の柔らかな温もりに包まれているうちに、その、好きになってしまったんだ。すると、ふいに僕の体が持ち上げられ、柔らかな温もりに包まれる。佐々木ちゃんだ。ああ、佐々木ちゃんは僕を使ってなんてきれいな字を書くんだろう。僕の体はもうそんなに長くない。でも僕は残りの人生を佐々木ちゃんのために生きると決めたんだ。
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公開:22/10/01 07:13

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