万年筆

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筆記具の王様と言えば、昔は間違いなく万年筆であろう。書く人の個性が文字にも表れ、使い続けている内にペン先が馴染んで来て、他の筆記具とは一味違う楽しみ方が出来る。
筆圧をかけないため長時間使っても疲れにくく、文字も綺麗に見え、使用する人の癖にも馴染んでくれて、それが個性にもなる。
メンテナンスや修理により半永久的にも使える。但し乾燥や気温差、飛行時の気圧変化などには弱く、筆記する紙質も選ぶ。
筆圧を要するカーボンコピーには不向きであり、複写式の請求書や領収書等には使用は出来ない。外出時にはカートリッジ式インク補給を使う事が多いが、通常の吸入式のインク補給は手間は掛かるも自分には、一時の休息であり楽しい時間だ。
今の時代にはそぐわぬかも知れないが、高校の合格祝に買って貰えた万年筆には、果てしない嬉しさと思い出が輝いている。人生を共に歩いて来た万年筆は、日記をつける私も見て今日もにっこり笑う。
ファンタジー
公開:22/09/30 21:13

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