カプセルトイ

玩具の卵というカプセルトイに僕は目を輝かせる。
購入してすぐに卵そっくりのカプセルを割ってみた。
…何これ？中からどろりとした液体が出てきただけで何も入っていない。
もしかしてこれ、スライムかな？だったらスライムは玩具じゃない！
僕は出てきたそれを踏みつけた。こんなものいらない！
「何しているの！」
店員さんが真っ赤な顔で僕に迫る。何って…スライムを踏み潰しているんだけど？
「それはスライムじゃありません！玩具の卵の黄身です。玩具の卵は大切に育てると玩具が産まれる知育玩具なのに…」
そうなんだ。じゃ、もう１個買うよ。次はちゃんと育るよ。
「いいえ、君にはもう玩具の卵を育てる資格はありません」
店員さんは僕の足元を指さす。
『ドウシテ僕ヲ虐メルノ？何デ捨テルノ？』
スライムが僕の足を這い上がりながら聞いてくる。何これ！？気持ち悪い！
助けを求める僕に店員さんは「きみがわるい」とだけ告げた。