なんでも屋

腹が出てきて足の爪を切るのが辛くなってきた。人型のAIロボットを派遣してくれるというなんでも屋を頼んだ。

このなんでも屋、当たり外れが激しい。先日は、なぜか猫手のロボットが派遣された。思いっきり爪が伸びている。「さあ、切ってにゃ」そう言って手を差し伸べる。いや、違う。爪を切りたいのじゃなく、切って欲しいのだ。事務所に苦情を言う。
「気を付けます」

大量の爪切りを持ってきて一つずつ説明する奴もいた。うんうん、一生懸命覚えたんだね。
事務所に苦情を言った。
「次からは気を付けます」

最新のAIロボットを派遣すると言われて楽しみにしていたら、足の指の爪を教えるところから始めなければならなかった。
まともに仕事をするロボットを派遣してもらえないかと言うと、
「申し訳ございません。次からは気を付けます」
と答えられた。もしかして、君も？
「弊社の社員は全員AIロボットです。もちろん私も含めて」