過去のシュレッダー

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読むかも知れないと、過去の友人や知人からの手紙類、役所からの通知連絡、同窓会からの連絡物とかが、ダンボール箱に何個分も貯まり押し入れにねじ込んでいた。
その多さに耐え兼ねてか、襖戸を押し倒し部屋中に崩れ落ちて来た。
そうだこの機会に、断捨離して不要な物は廃棄しようと思った。家庭用シュレッダー機に次々と掛け、刻まれた紙類は綿の様に膨れ上がり山となる。それを大きなビニール袋に強く詰め込んで行くが幾つも出来てくる。
途中で文面を読んでいると時間だけが流れて行く。嫌な奴から来た手紙が出てきた、当時捨てたはずなのに何故か残っている。
嫌な思い出と共にシュレッダーに掛けたが、何を間違えたのか切断ボタンを押した筈が、逆転ボタンを押してしまった。
すると友人の怒鳴り声が、シュレッダー屑の中から聞こえて来る。
過去を消そうとしても、俺は簡単にはシュレッドされないぞ。
慌てて彼に連絡を取ろうと決心した。
ファンタジー
公開:22/10/01 22:40
更新:22/10/02 12:54

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