スイフヨウの島

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おれたちゃよお。七つの海を行く船乗りさ。
水夫よお。
歌を歌いながら大海原を行くのさ。

小さな島が見えてきた。
船は港にたちよった。


綺麗な歌声が聞こえてきた。
髪飾りに白いスイフヨウ(酔芙蓉)の花を飾った島の娘が歌っていた。

朝は白色。昼はピンク色。夜には酒に酔ったような赤色。
一日のうちに花の色をかえる酔芙蓉の花。
その島には、人の背たけほどのびたハイビスカスにも似たスイフヨウの花が、たくさん咲いていた。

島の料理をごちそうになり、うまい酒に酔いしれた。
夜の海の水平線に月が浮かび、海面には月光の道(ムーンロード)がきらめき、月にむかってつづいている。
髪飾りに酔芙蓉の花を飾った島の娘が歌を歌っている。
島の娘の歌声の響きに酔いしれた。


出航の汽笛が鳴る。
島の人々が手をふっていた。

泡と波の航跡が太陽の光を反射して、きらめいている。
酔芙蓉のピンク色の花が風に揺れた。
その他
公開:22/09/28 21:34
酔芙蓉 スイフヨウ 水夫

前虎( https://mobile.twitter.com/mae10ra )

はじめまして。
前虎と申します。
作品を読んでいただけたら嬉しいです!
よろしくお願い致します。
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